―――…ぽたり
「…っっ……ぎゃーーー!汗で滲んだーーーっ!!
せ、せっかく良い感じで書けてたのにーーっ!!」
半紙がじわりと汗を吸い込み、そこへ広がっていく墨を見てボクは悲鳴を上げた。
「ボロブ…騒ぎすぎですよ。」
「し、師匠ー!そんな事言ったってー!
折角自分のイメージ通りの作品が書けてると思ったのに。」
その様子を見て、師匠は宥めるかのようにボクの頭の上に、ぽん、と手を置いて
「おや。こんなにてっぺんが熱くなってますね。
冷たい物でも食べて気分転換でもしましょうか。」
にこり、と細い目を更に細めた。
師匠の、藍色の浴衣がとても似合っていた。
外からは、蝉の鳴き声がミンミンと響いてくる。
じわりと汗が身体にも滲んだ。
「……………はぃ。」
…どうやっても、この人には敵わないんじゃないだろうか。
と、いつも思う。
梅雨も明けて、季節は本格的に夏を迎える。
****
出来る事なら
また
師匠と一緒に。
―――……。
****
「餡蜜、食べたいな。」
遺跡の中だと、食料が限られてくるのもあって
好きな食べ物が余計に恋しくなるのだろうか。
遺跡の中は、あの日よりは涼しく感じられる。
「…っっ……ぎゃーーー!汗で滲んだーーーっ!!
せ、せっかく良い感じで書けてたのにーーっ!!」
半紙がじわりと汗を吸い込み、そこへ広がっていく墨を見てボクは悲鳴を上げた。
「ボロブ…騒ぎすぎですよ。」
「し、師匠ー!そんな事言ったってー!
折角自分のイメージ通りの作品が書けてると思ったのに。」
その様子を見て、師匠は宥めるかのようにボクの頭の上に、ぽん、と手を置いて
「おや。こんなにてっぺんが熱くなってますね。
冷たい物でも食べて気分転換でもしましょうか。」
にこり、と細い目を更に細めた。
師匠の、藍色の浴衣がとても似合っていた。
外からは、蝉の鳴き声がミンミンと響いてくる。
じわりと汗が身体にも滲んだ。
「……………はぃ。」
…どうやっても、この人には敵わないんじゃないだろうか。
と、いつも思う。
梅雨も明けて、季節は本格的に夏を迎える。
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出来る事なら
また
師匠と一緒に。
―――……。
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「餡蜜、食べたいな。」
遺跡の中だと、食料が限られてくるのもあって
好きな食べ物が余計に恋しくなるのだろうか。
遺跡の中は、あの日よりは涼しく感じられる。
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