偽島/探索17日目

2007年9月2日 偽島
これはまだ、ボクが師匠の元にいた時の話。

前回までのあらすじ。

師匠が旅行につれてってくれると言ったのでうかれて
のこのこ着いて行ったら地獄の修行が始まったのでした。

そう、まさに地獄の真っ只中から話は始まる。

 ***

師匠は見て、盗めと行った。
ボクの手元にあるのは筆だけ。

そこまで体力があるわけではない。

師匠の攻撃らしきものを避けるのに疲れた。

「ちくしょー。やったろーじゃん。
 よくわかんないけどさ!
 この筆で
 
 ”書けば”いいんでしょ?

 それが、半紙にじゃないだけ・・・!」

唇を、きゅっと噛み
にこりと笑顔の師匠を見る。

ボクは、見た。

師匠の筆。手の動き・・・全てを。


宝石らしき石が光る―――
そして、師匠は大気の上に
文字を書いていった。

書けるはずかないのに
確かに、”書いて”いた。

そして、最後に書いた言葉を
円で囲う。くるり、くるり。

すると、その言葉は動き出し形となるのだ・・・
――石に、炎に、風に、光に、闇に――


ボクへと向かって・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?



ぼくに?



「し、しまったぁあああああ!!!」


ガッ

「おぶっ。」

ゴッ

「げはっ!」

バキッ

「ごはっ!
 !!ああーーーっ。めがね!!めがねがーー!!」


一気に視界がぼんやりしはじめた。


「師匠の・・・・ばっかやろーー。
 女の子に対してだろうが容赦ないなんてーー。

 許さない!

 絶対、その技・・・盗んでやるーー!
 使いこなしてやるーー!!」

チカ。

手に持っていた筆。
それについていた石が、ボクの意志と呼応するように光った。
僅かに力が湧いてきたようだった。

「・・・出来る。」

そう、感じた。


***

そうそう。
あれ以降、予備の眼鏡の重要性に気付いたってわけよ。

コメント